カイロプラクティックも予防ケア
Dr.エラン・マイケル(ニューヨーク州)
ドクター・オブ・カイロプラクティック
カイロプラクターの祖父は、自身もまるで空気を吸うようにカイロプラクティックのケアを受け、カイロプラクティックと共に生きました。そんな祖父と一緒に育った私も、物心が付いた頃から予防医学の考え方が自然に身についています。

アメリカでは歯科検診や血液検査など様々な定期検診を受けることが奨励されていますが、背骨の予防的治療については軽視されています。カイロプラクターたちはメンテナンス・ケアと呼びますが、背骨の健康維持は脊椎が最大限に機能することを保証するために重要です。。
腰痛はたいてい再発性または慢性的ですが、ほとんどの患者さんは症状が悪化して痛みを強くなったときだけケアを求めます。定期的なメンテナンス・ケアを通じてこれらの症状を防ぐことができることが研究で証明されているのですが、なぜ誰も神経痛を併発する腰痛が発症するまで何もしないのでしょうか?
メンテナンスケアの有効性
2018年の研究によると、腰痛のメンテナンス・ケアには、痛みの発症時だけの治療と比較して利点があること、および、予防的治療と脊椎ケアの有効性が示されています。研究の結論としては、1年間のうち厄介な非特異的腰痛を伴う日数を減らすためには症状の発症時だけの治療よりもメンテナンス予防ケアの方が効果的であると述べられています。体の他の部位と同様、背骨にも予防ケアを適用することにより痛みを軽減することができるわけです。
腰痛によって心身を消耗した経験がある方なら、予防ケアがいかに重要であるかを理解できるでしょう。なお、初めてカイロプラクティック治療を受けた時に好反応を示した患者は、メンテナンス・ケアにも概ね好意的な反応をします。
「一度、カイロプラクターにかかったら、ずっと続けなければならない…」という反論がありますが、歯科医、検眼医、その他の専門医については同様の議論が聞かれないのはなぜでしょう。
腰痛の最大リスク
実は、腰痛の最大の危険因子は腰痛の過去歴です。人口の90%が1回は腰痛を経験するという事実は、過去の腰痛歴が多くの人にとって高い再発リスクとなることを示します。
では、初めて腰痛を経験したら、どんな選択肢があるでしょうか?かかりつけ医や整形外科医から筋弛緩薬や鎮痛薬を処方してもらう人もいます。でも、薬は、体が最終的に治癒し痛みが完全に治まるまで、痛みを感じにくくするだけです。理学療法は継続すれば、患者が背中を安定させ強化するのに役立ちます。ただ、痛みのピークから解放されると患者は治癒したと思い込み気が緩んで、通常の日常生活に戻るとリハビリ運動を継続しなくなる傾向にあります。
腰痛の病歴は、将来に起こるかもしれない腰痛に対する先行指標です。ほとんどの患者さんは腰痛の再発を繰り返し不快感を訴えます。定期的なリハビリテーション運動を継続しなければ、脊椎の根本的な問題は正しく対処あるいは修正されず、腰痛が再発するのは時間の問題です。
一部の患者さんは、腰痛を初めて発症したときにカイロプラクターにかかります。カイロプラクティックによって脊椎が修正され腰痛が正しく治療されると痛みが消え、腰の安定化が得られます。
カイロプラクティックは低リスク
この時点で、患者さんは道の分岐点に立ちます。症状がなくなったから治療を受けなくなるか、定期的なメンテナンス・ケアによって脊椎が最大能力で機能できるようにするか選択肢があります。研究によると、将来の腰痛リスクを減らす最善の方法は、メンテナンス・ケアのアプローチを取ることです。カイロプラクティック治療は非常に低リスクですから迷う余地はないでしょう。
私は子供の頃、カイロプラクティック・ケアを受けて成長できたという特権を得る機会に恵まれました。大人になり、私も兄弟もカイロプラクターになりました。私自身がメンテナンス・ケアの恩恵を身をもって証明しています。怪我を予防し痛みを軽減することができて、私自身の体が最高レベルで機能し続けるのをカイロプラクティックがサポートしてくれました。
痛みがあるときだけ医師にかかることに比べて、定期的な運動とカイロプラクティック・ケアを組み合わせることによって多くの人々が人生を好転できる可能性があります。最新の研究と証拠がカイロプラクティックを推進しています。私たちと一緒にハードルを飛び越えましょう。
Dr.エラン・マイケルは、ニューヨーク州のProClinix Sports Physical Therapy&Chiropracticのカイロプラクターです。ProClinixの詳細は、www.ProClinix.comをご参照ください。
〔※編集注:この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的アドバイスではありません。個別のケースにつきましては医師にご相談ください。〕
引用元
https://www.theexaminernews.com/the-benefits-of-chiropractic-preventative-and-maintenance-care/
監修・まとめ
藤原 邦康
カイロプラクティック・オフィス オレア成城 院長
米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック
一般社団法人日本整顎協会 理事
カリフォルニア州立大学卒業
カリフォルニア州立大学(映画専攻)卒業後、CG映像の制作に携わった後、米国ライフウェスト・カイロプラクティック大学へ転進。2004年 米国ライフウェスト・カイロプラクティック・カレッジ卒業2006年 カイロプラクティック・オフィス「オレア成城」開院。2016年日本整顎協会設立。
顎関節症に苦しむアゴ難民の救済活動に尽力。噛み合わせと瞬発力の観点からJリーガーや五輪選手などプロアスリートのコンディショニングを行なっている。格闘家や芸能人のクライアントも多数。
【メディア取材】
「あさイチ」(NHK)、「とくダネ!」(フジテレビ)、「Tarzan」(マガジンハウス)、「からだにいいこと」(祥伝社)、「日刊SPA!」( 扶桑社)、「おはスタ」(テレビ東京)ほか
【執筆】
サライ(小学館)
「自分で治す!顎関節症」(洋泉社)Amazonベストセラー1位
「体の理を生かすカイロプラクティック」(科学新聞社)