歯医者さんにありがちな筋骨格系の症状

(ドイツ・ミュンスター)
9月11日にオンラインでRisk Management and HealthcarePolicy誌に掲載された論文によると、首と肩の問題は歯科医師によく見られる筋骨格系障害です。歯科医師の5人に1人以上が医療を求めていることがドイツの最近の研究で示されています。

歯科医師は患者さんを救うために無理な姿勢を取ることも…。

ミュンスター大学病院の研究者は、ノルトラインヴェストファーレン州の229人の歯科医師を調査しました。歯科医師たちは、過去12か月間に病欠や医療につながった筋骨格症状の発生について回答しました。

目次

治療時の姿勢の影響

歯科医師の大多数(93%)は、少なくとも1種類の筋骨格症状を経験したと報告しました。首(65%)と肩(58%)が最も多い症状です。研究者たちによると、歯科医師は常に不快な静止姿勢で働いています。首を屈曲し肩を外転させ、頭部を回旋させた状態でいると述べています。

首の痛みを報告した歯科医師のうち、24%が治療を求めていると述べ、16%が首の問題によって日常生活が制限されていると述べました。同様に、肩の痛みを経験した歯科医師のうち、21%が治療を求めていると述べ、15%が肩の問題によって日常生活が制限されていると述べました。

過去7日間の急性の痛みは、首(37%)、肩(29%)、上背部(23%)において最も頻繁に発生しました。

症状の男女比

筋骨格系の問題についての男女比については、男性の歯科医師と比較して、女性の歯科医師は、首(84%対53%)、肩(73%対49%)、および上背部(62%対41%)の有病率という結果が出ました。

研究者は、人間工学、職場の組織、および労働衛生に関するトレーニングとともに、厄介な姿勢を減らすために、歯科クリニックの職場における人間工学的設計の改善を推奨しています。さらに、首と肩、腕の筋肉強化プログラムを開発する必要があると報告しています。

〔※編集注:この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的アドバイスではありません。個別のケースにつきましては医師にご相談ください。〕

引用元
https://www.safetyandhealthmagazine.com/articles/21944-musculoskeletal-issues-common-among-dentists-study

監修・まとめ

藤原 邦康
カイロプラクティック・オフィス オレア成城 院長
米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック
一般社団法人日本整顎協会 理事
カリフォルニア州立大学卒業
カリフォルニア州立大学(映画専攻)卒業後、CG映像の制作に携わった後、米国ライフウェスト・カイロプラクティック大学へ転進。2004年 米国ライフウェスト・カイロプラクティック・カレッジ卒業2006年 カイロプラクティック・オフィス「オレア成城」開院。2016年日本整顎協会設立。
顎関節症に苦しむアゴ難民の救済活動に尽力。噛み合わせと瞬発力の観点からJリーガーや五輪選手などプロアスリートのコンディショニングを行なっている。格闘家や芸能人のクライアントも多数。

【メディア取材】
「あさイチ」(NHK)、「とくダネ!」(フジテレビ)、「Tarzan」(マガジンハウス)、「からだにいいこと」(祥伝社)、「日刊SPA!」( 扶桑社)、「おはスタ」(テレビ東京)ほか

【執筆】
サライ(小学館)
「自分で治す!顎関節症」(洋泉社)Amazonベストセラー1位
「体の理を生かすカイロプラクティック」(科学新聞社)

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