歯ぎしり vs. 顎関節症

歯ぎしりと顎関節症は異なる症状ですが、特にそれらが全体的な咬合パターンにどのように影響するかという点において互いに関連しています。TMJ(顎関節)の障害は、筋肉や関節に影響を及ぼすアゴの機能障害です。一方、歯ぎしりの場合は、歯を後ろにスライドさせて上下の歯を互いに押し付け合うことによって、歯を繰り返し擦り合わせます。通常、無意識で自覚しないまま睡眠中に食いしばります。自力で止めることは難しいため、つい誤魔化してスルーしてしまいます。とは言え、120kg以上もの力で噛むわけですから速やかに止めたほうが賢明です。
なぜ歯ぎしりしてしまうのか?
悪いかみ合わせや曲がった歯、欠けた歯はすべて歯ぎしり習慣の原因になる可能性があります。最大の理由はストレスに起因するといわれてます。ご想像のとおり、ストレスは現在進行中の感染拡大によってかなり増加しています。不安やうつ病、睡眠障害、緊張性頭痛、さらには抜け毛に加え、ストレスに対する反応から慢性的な歯ぎしりが生じる可能性があります。この悪習慣が長く続くと、あなたの歯とアゴは代償を払うことになってしまいます。弱くなった歯のエナメル質による歯根破折は、慢性歯ぎしりの不健康な結果の一つにすぎません。では、眠っている間に潜在意識下で歯ぎしりしているかどうかをどうやって知れば良いのでしょうか?
夜間の歯を食いしばり兆候
-歯が磨耗している、欠けている、またはひびが入っている
-顔(およびアゴの筋肉)が慢性的に緊張しているために痛い
-知覚過敏の歯がある
-アゴがずれている
-パキッと音がする
-不定期でアゴが動かなくなる
-締め付けられるような頭痛
-舌の縁に歯型が付いている
-頬の内側に噛み傷がある
-奥歯の上部がすり減って平らになってきた。
歯ぎしりにつながる要因
歯ぎしりにつながる他の要因は、顎関節のズレから生じ、機能障害、さらにはアレルギーに影響を与える可能性があります。歯ぎしりについて最も重要なことは、顎関節、歯、歯茎の損傷を防ぐことができるように対処する必要があるということです。では、歯ぎしりや顎関節症をどのように処置したら良いでしょうか。一般的な処置の一つは、睡眠中にカスタムメイドのマウスピースを着用することです。これは、歯や顎関節へのストレスを軽減するのに役立つといわれています。
歯ぎしりの習慣を示す兆候を無視すれば、問題が悪化してしまいます。措置を回避すれば、笑顔が失われ、健康が悪化していきます。他の健康問題と同様に、初期段階での治療が最も効果的であるだけでなく、必要な治療の侵襲性が最も低く費用も抑えられます。進行中の歯ぎしりに苦しんでいる場合は、熟練した歯科医院に相談されることをおすすめします。
すぐに専門家にご相談を
経験ある歯科医師にかかれば、歯はもちろん、口腔や顎関節を評価して保護用ナイトガード(マウスピース)の着用や不正咬合を改善するための矯正治療、行動療法などの効果的な処置を受けられます。筋骨格系アプローチとしては、整顎に精通したカイロプラクターや柔道整復師などの専門家からバイオフィードバック(生体反応)を通じて舌、歯、唇を正しく休める方法を学ぶこともできます。ストレス管理のテクニックも役立ちます。ストレス解消するために散歩したり、就寝前に入浴してリラックスしたり、睡眠環境を整えることこともおすすめです。慢性的な歯ぎしりを少しでも軽減して心身を健康に保ちましょう。
〔※編集注:この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的アドバイスではありません。個別のケースにつきましては医師にご相談ください。〕
引用元
https://www.szmandadentalribmountain.com/dont-ignore-the-signs-of-chronic-bruxism-your-teeth-mouth-and-smile-will-thank-you/?fbclid=IwAR0VtOG5ou_zKbbl3SXwGXdCgya2iwFRjUlvrrlvK2tvhDQcxQ4PAjxPItI
監修・まとめ
藤原 邦康
カイロプラクティック・オフィス オレア成城 院長
米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック
一般社団法人日本整顎協会 理事
カリフォルニア州立大学卒業
カリフォルニア州立大学(映画専攻)卒業後、CG映像の制作に携わった後、米国ライフウェスト・カイロプラクティック大学へ転進。2004年 米国ライフウェスト・カイロプラクティック・カレッジ卒業2006年 カイロプラクティック・オフィス「オレア成城」開院。2016年日本整顎協会設立。
顎関節症に苦しむアゴ難民の救済活動に尽力。噛み合わせと瞬発力の観点からJリーガーや五輪選手などプロアスリートのコンディショニングを行なっている。格闘家や芸能人のクライアントも多数。
【メディア取材】
「あさイチ」(NHK)、「とくダネ!」(フジテレビ)、「Tarzan」(マガジンハウス)、「からだにいいこと」(祥伝社)、「日刊SPA!」( 扶桑社)、「おはスタ」(テレビ東京)ほか
【執筆】
サライ(小学館)
「自分で治す!顎関節症」(洋泉社)Amazonベストセラー1位
「体の理を生かすカイロプラクティック」(科学新聞社)