相談(73歳の女性)
顎関節症について、かかりつけ医と歯科医、耳鼻咽喉科医、歯科衛生士に相談しています。中には、「Google検索してください」という医師もいました。少なくとも2、3年は顔の左側に問題があります。左耳の痛みから始まり、10分から一日中続くことがあります。何ヶ月もの間、何か食べると、左アゴから弾けるようなポップ音がします。隣りに座る人に聞こえるほどです。私ができることは、頬に手を当てて音を抑え、食事を続けることだけです。ポップ音がしてもアゴは痛くありませんが、耳は痛いです。症状緩和のために何かできることがあれば教えてください。

回答(Dr.キース・ローチ)
顎関節の問題である可能性があるという耳鼻咽喉科医の私的は正しいと言えます。ただ、他の関節とは異なり、上アゴと下アゴの動きは顎関節は独特の問題を引き起こす可能性があります。顎関節症は25%の人に影響を及ぼし、重症の場合は失業の原因にもなることもあります。一般的に、男性に比べると女性が多く発症します。歯ぎしりをする、過剰にガムを噛むなど、アゴを酷使する人はTMJの問題を発症する可能性が高くなりますが、顎関節痛の発症に影響を与える要因や発症の経緯は複雑です。
顎関節症のおもな症状は、顔面の痛み、耳の痛み、頭痛、アゴのポップ音などです。多く場合、朝に悪化する症状を持っています。
咀嚼パターンが変化すると…
予期しない歯の問題により、咀嚼パターンが変化し、症状が現れる可能性があります。歯科医は歯ぎしり癖を見つけることができ、適切な歯科評価と処置ができます。医師は、顎関節痛や関節炎などを発症する素因となる歯ぎしり以外の問題や、顎関節症と混同されやすい三叉神経痛や舌咽神経痛などの神経学的な症状を診断することができます。
医師からのアドバイス
顎関節の専門家であるDr.キャロル・カニンガムは次のように解説します。
「私の場合、枕が耳にかからないように患者さんに枕の端で寝るように指示します。耳だけでなく、顔に何も触れず圧迫されないようにする必要があります。本来、睡眠中は、頭部は中立位に保つことにより顔面の筋肉をリラックスしようとしています。ところが、枕、手や腕によって筋肉に圧力がかかると、筋肉は中立位置に戻ろうとします。このとき、食いしばりや食いしばりが起きます。顔の筋肉や関節に圧力がかかると痛みが生じます。うつ伏せ寝の人は、顎関節症を発症することがおおです。夜間、顔が圧迫されることによってアゴに負担がかかる結果になってしまうためです。私はまた、患者さんに日中に自分の歯の状態について意識するように伝えます。そもそも、上下の歯が触れるのは、食事のときと(特定の言葉を)喋るときに一瞬触れるだけのはずです。唇は閉じていても、上下の歯は接触すべきではありません。」
このアドバイスを試しても改善されない場合は、地域で顎関節症の専門家に相談してください。
〔※編集注:この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的アドバイスではありません。個別のケースにつきましては医師にご相談ください。〕
引用元
https://www.stltoday.com/lifestyles/health-med-fit/health/to-your-good-health/dr-keith-roach-ear-popping-jaw-pain-stems-from-tmj/article_4a08fd5a-28a1-5940-b98d-517dda60f57d.html
監修・まとめ
藤原 邦康
カイロプラクティック・オフィス オレア成城 院長
米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック
一般社団法人日本整顎協会 理事
カリフォルニア州立大学卒業
カリフォルニア州立大学(映画専攻)卒業後、CG映像の制作に携わった後、米国ライフウェスト・カイロプラクティック大学へ転進。2004年 米国ライフウェスト・カイロプラクティック・カレッジ卒業2006年 カイロプラクティック・オフィス「オレア成城」開院。2016年日本整顎協会設立。
顎関節症に苦しむアゴ難民の救済活動に尽力。噛み合わせと瞬発力の観点からJリーガーや五輪選手などプロアスリートのコンディショニングを行なっている。格闘家や芸能人のクライアントも多数。
【メディア取材】
「あさイチ」(NHK)、「とくダネ!」(フジテレビ)、「Tarzan」(マガジンハウス)、「からだにいいこと」(祥伝社)、「日刊SPA!」( 扶桑社)、「おはスタ」(テレビ東京)ほか
【執筆】
サライ(小学館)
「自分で治す!顎関節症」(洋泉社)Amazonベストセラー1位
「体の理を生かすカイロプラクティック」(科学新聞社)