ハーバード・メディカルスクール:腰痛に対するカイロプラクティック・ケア

腰痛が起きることは決して珍しくありませんね。腰痛は非常につらいものですし、発症すればコストも馬鹿になりません。

最新のアメリカ内科学会のガイドラインでは、腰痛に対する安全で効果的な第一アプローチとして、非薬理学的治療(カイロプラクティックによる脊椎マニピュレーション、鍼治療など)が推奨されています。ただし、これらの治療法を包括的に医療提供システムに統合することは困難であり、地域社会での非薬物療法へのプライマリ・ケア推進も進んでいるとは言えません。

ハーバード・メディカルスクールが参画しているこの動画は、カイロプラクティック・ケアがこのギャップを埋める実例を示しています。 カイロプラクターのDr.エリック・ロシーンDC・MSc(理系修士)、医師のDr.サマンサ・シモンズMPH(公衆衛生学修士)、医師のDr.スティーブン・アトラスMPH、医師でマネージングディレクターのミーナ・クマールMDらが参加し、腰痛に対するプライマリ・ケアおよび実践科学の専門知識についてパネル・ディスカッションをしました。腰痛患者については、まずプライマリ・ケア従事者が対応にあたることの有効性についてプレゼンしています。腰痛に対するカイロプラクティック・ケアへのアクセスを増やすために何が障壁となっていて、どのように実施していけば良いかの戦略についても話し合っています。

統計によると、アメリカ人の80%以上が腰痛を患っています。これは世界的な傾向であり、腰痛が身体の障害の主要な原因になると言われています。米国でも、医療機関への訪問の多くは腰痛が理由です。仕事の生産性も失われますし、直接的にも間接的にも腰痛は多額のコストがかかり、米国で最も高価な治療の一つであるといえます。プライマリ・ケアが必要なのですが、長らくの間、オピオイド(鎮痛剤)によって対処されてきました。腰痛が主要な原因であることに注意することは重要です。他の多くの条件と同様に、低所得者層と人種的マイノリティには過剰にオピオイドが処方されています。

6か月で急性腰痛を患う5000人以上の患者のグループを対象としたこの試験では、慢性腰痛を発症しました。

慢性腰痛または持続性の症状およびリスクの高い人々は、慢性腰痛のほぼ半分を発症しています。低リスクのカテゴリーでは、腰痛の約20%がまだ発症しています。ただし、優先順位もあります。どの患者が食べることができますか?より多くの注意、それが慢性腰痛について予測可能であるかどうかを見るために彼らが調べたもう一つの危険因子は、ベンガイドラインの数です。ガイドラインで患者が受ける無差別な治療。私たちが意味するのは、オピオイドが1つのガイドラインであるということです。

パネルディスカッション参加者のボストン・メディカルセンターで働く医師の場合、人生のほとんど腰痛を患っていました。筋弛緩薬など様々な薬を使用しましたが、10代後半に脊椎手術を受けた後、大きな改善が認められ、数年間腰痛はありませんでした。その後、医学教育を受けましたが、当時はカイロプラクティックの役割については知りませんでした。17年前に医師として診療を開始しましたが、多くの外来患者が腰痛を患っています。現在はカイロプラクティックやヨガ、運動療法と鍼治療を勧めています。

ハーバード大学の医学生がボストンの3つの診療所と低所得および高所得のコミュニティに行き、合計72の医療提供者に、急性および慢性の腰痛へ急性腰痛のプライマリケアついて聞き取りをしたところ、その多くが薬理学的治療を推奨しないことが分かりました。

カイロプラクティックは腰痛に有効であり、アメリカではほとんどの保険がカイロプラクティックをカバーしています。

患者がカイロプラクティックを受けるのは、代替療法の紹介ネットワーク経由です。例えば、マサチューセッツ総合病院ではカイロプラクティック治療は提供されていませんし、正式な直接的な紹介制度はほとんどありません。患者が痛みを訴えれば薬が処方されるわけです。

カイロプラクターはカイロプラクティック医学の専門知識、神経外科医は神経学の専門知識を有しています。現状では、専門家同士の連携がはかられておらず、今後、大規模な包括的なポリシーが求められています。

腰痛患者はプライマリケア提供者がいる診療所に来院し、カイロプラクティックケアに行き着くことができます。

医師の一人は、神経根症状を示す椎間板ヘルニアを患っている場合、理学療法にもっと注意を払うことができると述べます。カイロプラクターが使用する多くの物理的治療は安全であるという証拠があります。カイロプラクターは軟組織へのアプローチもします。

カイロプラクターは、どういうケースで医学的措置が必要で医師に申し送りをすべきかを判断できるように訓練されています。米国内科学会の診療ガイドラインにも準拠しており、カイロプラクティックは非常に安全だと医師の一人は述べています。

監修・まとめ

藤原 邦康
カイロプラクティック・オフィス オレア成城 院長
米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック
一般社団法人日本整顎協会 理事
カリフォルニア州立大学卒業
カリフォルニア州立大学(映画専攻)卒業後、CG映像の制作に携わった後、米国ライフウェスト・カイロプラクティック大学へ転進。2004年 米国ライフウェスト・カイロプラクティック・カレッジ卒業2006年 カイロプラクティック・オフィス「オレア成城」開院。2016年日本整顎協会設立。
顎関節症に苦しむアゴ難民の救済活動に尽力。噛み合わせと瞬発力の観点からJリーガーや五輪選手などプロアスリートのコンディショニングを行なっている。格闘家や芸能人のクライアントも多数。

【メディア取材】
「あさイチ」(NHK)、「とくダネ!」(フジテレビ)、「Tarzan」(マガジンハウス)、「からだにいいこと」(祥伝社)、「日刊SPA!」( 扶桑社)、「おはスタ」(テレビ東京)ほか

【執筆】
サライ(小学館)
「自分で治す!顎関節症」(洋泉社)Amazonベストセラー1位
「体の理を生かすカイロプラクティック」(科学新聞社)

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